推し活のために上京するのはバカなのか? 〜上京したい全オタクに捧ぐ〜 #上京

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推し活のために上京するのはバカなのか? 〜上京したい全オタクに捧ぐ〜

上京したい人のために、リアルな上京体験談を発信する上京情報メディア『上京タイムズ』。編集長Miyuのコラムでは、30代で上京したMiyuが自らの体験をもとに、上京や東京での生活に関するさまざまな話題をお届けします。

今回のテーマは「推し活目的の上京」です。編集長Miyuは、地元の石川県にいた頃からとあるバンドを推していて、かれこれ10年ほど経ちます。本記事では、上京したいと考えているオタクの皆さんに向けて「上京したオタクの生活」を熱烈レポートします。

Miyuと推しの簡単なプロフィール
20代後半からとあるバンドを推して約10年。箱推しでメンバー全員大好き。現在は『節度を持ったオタク』として首都圏のライブに出没。推しのライブはキャパ200〜300人規模のライブハウスでやることが多く、距離が近い。リリース時期はライブに加えてインストアイベントもあるため、本人たちもオタクも忙しい。推しの好きなところは(文字数)

夜行バスで片道8時間、地方オタク時代・前期

地方オタク時代を振り返ると「よくもまぁ、あんなことができたなぁ」と我ながら感心します。当時は今よりもお金がなかったため、新幹線ではなく夜行バスをよく使っていました。

金沢〜東京の新幹線は片道15,000円程度ですが、夜行バスだと安い日なら片道4,000円程度、高い日でも8〜9,000円程度で行けるので、新幹線と比較するとかなり交通費を抑えられます。

金沢から東京までの夜行バスの所要時間は、8時間程度。夜行バスのヘビーユーザーだった当時は、まだバスタ新宿ができる前で、早朝の新宿駅前に放り出されていました。

とくに夜行バスの中でも『VIPライナー』には何度となくお世話になりました。VIPライナーに乗車すると、専用待合室『VIPラウンジ』を利用できます。

2016年にバスタ新宿ができたため、新宿VIPラウンジは残念ながら閉鎖となってしまいましたが、座ってメイクができる鏡台などもあり非常に便利でした。(現在都内は、東京駅前の東京VIPラウンジのみ営業)

出典:VIPライナー

VIPラウンジの待合室には、夜通しバスに揺られて疲労困憊の人々。そこにVIPの優雅さは1mmもありません。「東京に生まれれば、こんなに移動に時間をかけてクタクタになることはなかったのに……」と何度思ったことでしょう。

さまざまなジャンルのオタクたちがひしめき合うVIPラウンジの様子は、おそらく一生忘れません。ちなみに最も心に残った他界隈のオタクは、お笑いコンビ『ロッチ』中岡氏の缶バッジでリュックを埋め尽くしていたお姉さんでした。

それを見て「いろんな世界があるんだなぁ」と思ったものです。たくさんの思い出をありがとう、VIPライナー。

出典:VIPライナー

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バスは早朝6時過ぎに新宿に到着するものの、ライブはだいたいその12時間後の18時頃からスタートがほとんど。ライブが始まるまでは、東京でしか行けないカフェに行くなどして遊んでいた気がします。遠征するとなんだかんだ、時間つぶしにもお金がかかってしまうんですよね。

そしてライブが終わって22時過ぎにはまた夜行バスに乗り、朝7時に金沢駅に到着。バスを降りて見慣れた風景を見て、現実に引き戻される感じがなんともつらかったことを思い出します。

バスの中ではほとんど眠れませんし、身体は毎回もれなくバキバキに。「好き」という情熱がないとできないことだったなぁと、改めて思います。

仕事の責任との間で揺れた、地方オタク時代・後期

そこから30代前半になったオタクは、仕事に必死で毎日忙しくしていたため、なかなか有給を取ることもできなくなってしまいました。それに30代の体力では、夜行バスはなかなかにキツいものがあります。

しかし新幹線は往復3万円で、夜行バスの倍以上の金額。時間的にも最終の新幹線が21時なので、ライブ後だと微妙に間に合わない可能性があり日帰りは厳しい。

とはいえ宿泊するとなかなかの金額になってしまうし、その翌日も休まなくてはならない。そのようなさまざまな不都合が重なり、遠征する機会はどんどん減っていきました。

そしてそのうち世の中はコロナ禍となり、ライブ自体が減ってしまったため、2年程度はほとんどライブに行くことができなくなってしまったのです。

地方オタク、ついに上京する

そんな悲しき地方オタクでしたが、フルリモートの仕事への転職を果たし、2022年8月ついに上京することが決まります。この頃にはマスク着用でライブが開催されるようになっていました。

そこでオタクは、ツアーファイナル&周年記念日のライブに、自分の上京日をぶつけるという暴挙に出ます。

だって、せっかく上京するならこれまで我慢していたライブに行きたいじゃないか!!!それに推しの周年記念日と自分の上京記念日が一緒なんてハッピーすぎる!!!……と、この数年の鬱憤を晴らすべく上京日を決めました。

実家からの引越しだった私は、家具家電をすべて新しく購入したため、引っ越し屋を使わずに服などの荷物を宅急便で送り、上京当日はキャリーケースひとつで上京しました。

上京当日に乗った北陸新幹線。片道切符の旅。

そして引越し当日から部屋で寝られるよう、日時指定でベッドと寝具を購入。家から送った荷物は一気に届くと家具の組み立て時に邪魔になるため、すぐに使うものだけを段ボール一箱分に厳選して日時指定で受け取り。搬入と設置が完了次第、すぐにライブハウスへ向かいました。謎の段取りの良さを発揮。

そして、家から30分かからずライブハウスに到着。電車代はたったの数百円。地方オタク時代の苦労はなんだったのでしょう?まるで夢のような体験でした。

無事にライブの開場時間に到着できた私は、当日券を購入してライブを見ました。帰りももちろん、ライブハウスから家まではあっという間。「これが東京で暮らすということなのか……」と帰ってきてしばらく放心していたのを覚えています。

周年ライブのお祝い花。私も勝手に祝われました。

上京したオタクの現在

現在、首都圏で行われるライブはほとんど行っていますが、これまでと比べて行けるものが多くなったので、自分の中である程度のルールを決めて行っています。具体的にいうと、

・チケットが7,000円以上のライブには行かない
・交通費が往復3,000円以上のライブには行かない
・対バンは2バンド以上目当てのバンドが出ないと行かない

……といった感じです。

また、ライブは首都圏が圧倒的に多いので、地方ライブのための遠征は今のところしていません(ツアー全通したい夢はありますが!)今の自分の生活圏内で行ける本数で、十分満足しています。

上京するまでは「見境なくすべてのライブに行きたくなるのでは……(自分で自分がこわい)」と心配していましたが、いざ上京するとライブ以外の楽しいこと・やりたいことが東京には溢れているので、他の趣味や楽しみとのバランス(費用・時間・体力)を考えて、より「節度のある推し活」を意識するようになりました。

上京の翌々日に、もうひとつの推し「ちいかわ」のイベントにも行っていました。アクティブすぎる。

昔よりお金と時間をかけずにライブに行ける機会を得た今よりも、地方オタク時代の方がライブに情熱を注いでいた気がします。なぜかというと、地元には他に娯楽や楽しみがなかったからです。

今はライブの他にも、友だちと飲みに行ったり、新しいお店を開拓したり、美術館やイベントに行ったりと、東京で暮らしているとやりたいことが常に山ほどあります。

上京した私にとってライブは「唯一の楽しみ」から「たくさんある楽しいことのひとつ」になりました。しかしライブは他で替えの効かない、これでしか味わえない楽しさや生きている実感を伴う大切な時間です。

美術館などに気軽に行けるのも最高、やっぱり楽しい催しはなんでも東京……

推し活のために上京するのはバカなのか?の結論

私個人の経験からいうと、推し活のために上京するのは、ちっともバカではありません。推し活は、上京の理由に十分値するものだと思います。5大都市などツアーに確実に入るような地域に住んでいる人は、わざわざ上京するほどでもないかもしれませんが、そうでない地方のオタクが上京すれば確実に幸せになれます。

やはり機会・費用・時間、どれを取っても推し活においては「東京しか勝たん」のです。

「推しは推せるうちに推せ」とよくいいますが、私もそう思います。いつ活動休止や解散、引退のときがやってくるか、わかりません。

それに、自分自身の人生だって進んでいくのです。進学・就職・転職・結婚・出産・引越しなど、ライフイベントがあれば、推しに会いに行けなくなることもあるでしょう。病気やケガに見舞われることもあるかもしれません。

人生の中で「推しが活動する時間」と「自分が推し活に使える時間」が交わる瞬間は、ほんのわずかだと思うのです。

推しの誕生日もあと何回祝えるのかなぁ、と毎年思うので告知があると安心します。

推しは、私がその時間・その場所に行かなければ絶対に会えない存在です。私がライブに足を運ばなくなれば、もう一生会うことはないでしょう。私はライブに行くたびに「人生であと何回会えるのだろう」と思います。

実は私の母もとあるバンドが好きで、30〜50代の頃はときどき東京までライブに行っていました。しかし60代になってからは体力がなくなり、持病で食事の制限があって外食も簡単にできないので「ライブに行くのはもう諦めた」と言っています。

ライブハウスはスタンディングなので、体力面でも難しいようです。あんなに嬉しそうに通っていた母が、もうライブに行けないのかと思うと私も悲しくなります。

そのように、いつかは終わりがくることが確実だからこそ、日常の中で推しと自分の人生が交わるたった2時間程度のステージが、毎回とても愛おしいのです。

一度きりの人生。上京を考えているオタクの方は、ぜひ少しでも若くて元気なうちに上京して、推しとの時間を後悔のないように楽しんでください。

「東京は行く場所であって住む場所でない」という人もいますが、一度東京を経験してみて合わなければ帰ればいいのです。私は35歳で初めて地元を出て上京しましたが、私にとって東京は非常住みやすくて合っていましたし、何より今は、大好きなライブに行ける機会が増えて本当に幸せだと感じています。

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