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2024年春。上京したい人のための上京情報メディア『上京タイムズ』をリリースしました。編集長を務めるのは、自身も30代で上京したライターのMiyuです。彼女はどのような経緯でメディアを立ち上げ、これからどのような情報を発信していくのか。メディアに対する意気込みを詳しく聞きました。

——上京タイムズを立ち上げた背景について教えてください。

私は2022年の8月、35歳のときに地元の石川県から上京しました。上京組としてはかなり遅いですし、めずらしいタイミングだと思います。

そして上京してちょうど1年後の日に、私の上京ストーリーとその後の東京での生活を綴ったnote「今更」という呪いを捨てて、35歳で上京した話。を公開しました。自分の中ではその1年を振り返って、記念のような感じで書いたものです。

その後インターネット上でさまざまな方が記事をご紹介くださり、非常に多くの方からコメントが寄せられたことに加えて、noteのコンテストで賞もいただきました

その記事へ寄せられたコメントを通じて、上京したいけれど踏み出せずモヤモヤを抱えている人や、体験談に共感してくれる上京組が、世の中にたくさんいることがわかったんです。

「上京したいと改めて思った」「頑張って上京します」といった声もいただき、個人のリアルな上京ストーリーは、上京を迷っている人が一歩を踏み出すキッカケになると思いました。

改めて東京の街を見渡すと、本当にたくさんの人がいます。その中の多くが地方出身者であり、その一人ひとりの背景には、たったひとつの上京ストーリーがあるはずなんです。これはぜひ世の中の多くの人に届けたい!と、ライターの血が騒ぎました。

——上京タイムズのコンセプトについて教えてください。

上京タイムズのコンセプトは『#隣のあの人の上京ストーリー』です。上京タイムズに登場するのは、私たちの日常生活、例えばカフェやバー、電車などですぐ隣にいるような一般の人々です。

私が上京の情報収集をしていたときに最も知りたかったのは、実際に上京した人の体験談でした。どのような人が、どのようなタイミングで上京し、上京後はどのような生活を送っているのか。上京して後悔していないのか。そういったリアルな情報がほしかったんです。

しかし「上京」と検索して出てくる情報は、どんな街に住んだらいい?お金はいくらかかる?といった不動産メディアの記事がほとんど。あとは仕事も家も用意してくれるという「これって大丈夫なの?」と疑問に思う上京支援サービスもありました。

ネット上にある上京体験談といえば、デビューが決まって上京した芸能人のような、特別な人のインタビュー。一般人である自分の参考になるような上京体験談を体系的にまとめたサイトは、調べた限りでは案外なかったのです。それで、自分で作ることにしました。

——上京タイムズでは、どのような情報を発信していく予定ですか?

メインコンテンツは、上京した一般の方のインタビュー記事です。実際にお会いして取材と撮影を行い、リアルな体験談を記事にすることにこだわっています。

ゆくゆくは知名度のある方に出ていただくのもおもしろいかなと考えていますが、メインが一般の方のインタビューであることは、今後もきっと変わらないと思います。自分と近い属性の人の体験談にこそ、価値があると思っているからです。

あとは、私自身の上京の実体験から読者にとって役立ちそうな内容や、寄せられた質問への回答などは、編集長のコラムとして発信していくつもりです。

上京タイムズを通じてやりたいことは頭の中にいっぱいありますが、そのアイディアは今のところ内緒で、少しずつ実現していきたいと思っています。たくさんの人を巻き込んで、多くの人にとって役立つここでしか見られないオリジナルコンテンツをつくっていきたいです。

——上京タイムズのミッションやビジョンについて教えてください。

『生まれた場所や環境による機会損失を減らし、自らの可能性を最大限に発揮できる人を増やす』ということが、このメディアのミッションです。日本のど真ん中で圧倒的な選択肢を手に入れるということを、より多くの人に人生の中で一度は経験してみてほしいと思っています。

ビジョンとしては『上京の意思決定の手助けとなる、リアルな情報を発信する』ことを目指していきます。

私個人の経験から、上京することは自信を持っておすすめできると言えます。しかし全ての人にとって上京が最もよい選択とは限りません。上京するかどうか検討した結果、地元のほうが自分にとって幸せだとわかる場合もあるでしょう。

上京するかどうか悩んでいる読者が自分にとって最善の決断ができるよう、上京の良い部分だけを切り取って発信するのではなく、苦労や後悔も含めた上京のリアルを上京タイムズではお伝えしていきます。

それくらい上京は「人生を変える」決断であると、私自身が身をもって実感していますし、誰かの人生を変えるかもしれない情報を発信することは、責任のあることだと考えています。

——記事に登場するインタビュイーに対しては、どのように向き合っていますか?

制作に協力してくれたインタビュイーの今後の人生にとっても、プラスや新たなキッカケをもたらすものであってほしいと考えており、上京タイムズの記事には裏の目的が実は3つあります。

1つ目は近況報告、2つ目は自己紹介、そして3つ目は新たな出会いを繋ぐことです。

まず1つ目の近況報告ですが、インタビュイーの方が「自分は東京でこんなにしっかりやっているよ!」「今こんなことを頑張っているよ!」ということを、記事を通じて地元のご家族やご友人に知ってもらえたらいいなと考えています。

地元にいる親御さんはきっと、子どもが東京で普段どのような生活を送っているかをよく知らないことがほとんどでしょう。

また「子どもを東京に出したことは正解だったのか?」「子どもにとっての幸せにきちんと繋がっているのか?」と、本人だけでなく親御さんにとってもまた、上京という選択が正解だったのか知りたい気持ちもきっとあるのではないかと思います。

上京してから今に至るまでを一貫したエピソードとしてお伝えできる機会はなかなかないでしょうから、これまでの頑張りを伝える機会のひとつになれば嬉しいです。

2つ目は自己紹介ですが、上京してから現在までの歩みを記事にしてまとめておくと、新しい人に出会ったときの自己紹介としても便利です。

とくにこの東京で出会った者同士は、今何をしている人なのかは知っていても、どこの出身でどのような背景で上京してきたかまでは、案外知らないものです。それを代わりに語ってくれる上京タイムズの記事が、誰かと会ったときの会話の糸口になればいいなと思います。

そして3つ目は、新たな出会いを繋ぐことです。上京タイムズの記事がキッカケとなって新しい出会いが生まれたり、お仕事の依頼に繋がったりすれば、これほど嬉しいことはありません。

記事の最後にインタビュイーからの告知コーナーを設けているのも、そうした意図からです。

——最後に、読者へメッセージをお願いします。

これから上京したいと考えているあなたの切実な願い、そして田舎に感じている閉塞感や未来のなさを、私は痛いほどによくわかります。都市部に生まれたかどうかで、人生の難易度や選択肢があまりに違いすぎるのです。

東京で働く場所、住む場所を一人で決めて上京することは、私にとって簡単なことではありませんでした。時代の後押しもあってようやく上京が叶ったのは、上京したいと思いはじめてから10年ほど経ってからです。

上京に対する不安や大変さを自ら身をもって実感したからこそ、上京タイムズの読者の皆さんには、東京でやりがいを感じられる仕事を見つけ、他人に依存することなく、自分の経済力で生活してほしいということを今後もお伝えしていきたいです。

手っ取り早く稼げる方法に手を出したり、他人の経済力に依存したりすることなく自活する努力をすること。そして世の中のマーケティングやSNSが見せる虚像に振り回されて、自分自身もお金も消費しないよう気を付けること。

それは、結果的に生活への不安を減らし、東京で長く幸せに生きていくためには絶対に必要なことです。もし今は学生さんだとしても、東京での自分の将来を考えるときにぜひ思い出してほしいことだと思っています。

また、上京するのに年齢も何歳からだって遅くありません。私の上京体験談noteからの引用となりますが《人生は、どこからでも仕切り直せるし、いつからでも自分次第でいくらでも彩ることができる。》のです。

上京タイムズは、上京を検討している全ての人を応援しています。上京を叶えた読者の方にインタビューに登場してもらうことが、今の私の夢です。どうかこれからのコンテンツにぜひご期待ください。


■ プロフィール

Miyu/ライター。1987年石川県生まれ、東京都在住。

副業として始めた女性向けWebメディアのライターをきっかけに、本格的にコンテンツ制作の道へ。直近はローカルメディア、BtoBマーケティング、採用広報のコンテンツディレクターおよびエディターを経験。

現在はライターとして、新しい働き方や自由な学び、ライフスタイルをおもなテーマに「大人がよりよく幸せに生きる」ことを応援するコンテンツを発信している。女性のキャリアについて発信するWebメディア『パラナビ』では、自身の実体験を元にした「キャリアの一歩」を連載中。

【受賞歴】
2023年11月『「今更」という呪いを捨てて、35歳で上京した話。』が、株式会社マイナビ×note投稿コンテストにて7,482作品の中から「入賞」を受賞。

X(旧Twitter)
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